2月1日にミャンマー国軍が、アウンサンスー・チー氏を含むNLDの主要メンバーを拘束し、クーデターを起こした。理由は2020年に行われた選挙結果が不服だったからと言う。国民は2015年まで軍の統治を経験し、その暗黒時代を嫌になるほど味わっており、二度とあの時代に戻りたくないという魂の叫びから、ミャンマー各地でデモが行われている。私が住んでいるマンダレーでも毎日、主要道路をデモ隊が練り歩き、夜8時には各家庭で、金属ナベをたたくという抗議活動を続けている。しかし、今のところ残念ながら、状況に変化はない。むしろ、悪化している。実質、国民のほとんどは軍政に批判的であり、facebookなどのSNSには軍政への批判が溢れている。これを受けて国軍はまずfacebookへのアクセスを遮断した。国民はVPNなどを用いて、アクセスをするが、今度はインターネット自体を丸2日遮断した。また、国民はこの状況が海外へ正しく伝わっていないことにも怒っている。国内のニュースでも、おそらく海外向けなのだろう、クーデター後もデモなどはなく、国民が平和に毎日を過ごしているかのような映像が流されている。ミャンマーは法の構造上、軍がその気になれば、自在に国を支配できるため、内部の力だけではこのループが永遠に繰り返される可能性がある。2015年に民主化されやっと明るい未来が開けてきたところで、1日にして、このどうしようもない現実を突きつけられてしまったのだ。

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