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  • 執筆者の写真SAMURAI日本語教師

ミャンマー人留学生のCOE交付状況と今後の対応

更新日:2019年3月19日

今月、2019年4月期日本留学のビザ申請の交付結果が発表された。今回の結果は、日本語学校および留学エージェントにとって大きな衝撃を与え、多くの学校は今後の運営方針の変換を迫られ、場合によっては学校存続の死活問題にもなりえるものであった。



東京への申請はほぼ全滅!?


まず一番の衝撃は何と言っても東京のCOE交付率の低さだ。ほとんどの日本語学校でほぼ全滅と聞いている。これはミャンマー人だけでなく、非漢字圏のアジアはベトナム、モンゴル以外は同様の状況であったらしい。前回の10月期申請でもかなり厳しくなってきていることを感じていたが、ここまでとはどこも予想しなかっただろう。不交付理由としては、銀行残高証明書の信憑性の問題や、資金形成過程の立証に関するものだ。残高証明は正真正銘のものを提出しても、信憑性がないと言われてしまえば、手の打ちようがない。



東京以外の地域は従来通りの交付率


東京以外の地域では、割りと従来通りの審査であった。関西では、確かに厳しく見てくる場合もあるが、従来通りの審査で順当にCOEが発行される場合も多かった。おそらく書類の判定は担当官の判断に委ねられているため、同じ書類を出しても、担当官によって可とされる場合も不可とされる場合もあるのだろう。老舗校は割と従来通り、新規校は厳しめという印象もあったので、新規校には厳しい担当官が当たるという相関関係もあるかもしれない。また、それ以外の地方の入管では、交付率は従来通り8割以上という印象であった。



今回のCOE交付率の影響


今回の自体の影響を一番受けるのは東京の日本語学校だろう。特に、非漢字圏の学生に頼って構成している学校は、下手したら死活問題になりうる。また、留学エージェントも東京を中心に送り出しを行っているところは、送り出し先などの考え直しを迫られる。




入管、法務省の今後の方針は!?


今回の交付率から逆に法務省の方針を予想してみることはできるだろう。


東京の日本語学校の整理!?

まず第一に考えられるのは、東京の日本語学校の整理だ。東京には日本に700以上あると言われる日本語学校の半分以上が置かれているが、その質は玉石混合である。また、中国、台湾、韓国などは留学情報網が相当に発達しているため、それらからの支持のない、一部の非漢字圏のみの学生のみに頼っている学校は、今回の交付結果によって存続の危機に立たされる場合も多いだろう。そして、それが狙いの一つとも見ることができる。



地方活性のため!?

もう一つの狙いとして考えられるのは地方活性だ。今回の交付結果で注目すべきことは、東京がほぼ0%なのに対し、地方では割と従来通りの交付率が出ていることだ。当然、留学生は今後、”COEの出ない東京”より”COEの出る地方”を目指すだろう。これによって、今まで東京に集中していた外国人留学生が地方にも分散し、地方活性につながる。これも狙いの一つとしては考えられるだろう。



留学生30万人計画の達成と特定技能ビザの影響

これは最近の書類審査が厳しくなった理由として、多くの学校が予想していることだ。非漢字圏の留学生の中には、留学を隠れ蓑にした労働目的の学生も多い。規定の週28時間のアルバイト時間を大幅に超過している者も多い。留学生30万人計画の達成に加え、特定技能ビザが新設された今、労働目的の学生はきっぱりとお断りし、特定技能ビザで来てもらおうということだ。日本に留学後のビザ更新の審査も厳しくなっており、28時間を大幅に超過した者には結構不許可を出しているケースも多く、この考え方の正しさの証拠の1つと言えそうだ。



留学生送り出し機関としての今後の方針


特定技能ビザも現在はまだ未決定事項が多いが、制度がしっかりと整えば、労働目的の者は特定技能ビザ、修学目的の者は留学ビザを申請するというように正しい流れができるだろう。そうなれば、また留学申請も通常の審査に戻ってくると思われるが、それはまだ1,2年先になるはずだ。それまでは、交付率の高い地域に、またリスク回避のためにできるだけ一か所に固めず、多くの地域に少人数ずつ申請するという事で、何とか送り出し機関としての交付率を維持していくしかないであろう。また、留学生のパイ自体も減少し、特定技能ビザを希望するものが増えていくので、そちらにも対応していく必要がありそうだ。











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